産後ヨガって何をするの?どういう効果があるの?
産後の身体を回復させるやり方を分かりやすく紹介しますね。
鳥栖で行われているmamanz fun の実際の雰囲気も合わせて紹介します。
産後ヨガって何?どんな効果があるの?
<産後ヨガをおすすめする3つの理由と効果>
産後ヨガとは、文字通り産後のママたちに向けてる作られたヨガです。決まった形はないので、教えるひとが大切、必要と思うものを組み込んだヨガということになります。
ここでは、私が過ごした4回の産後の経験と、妊娠前からやっているヨガの講師・理学療法士としての体の知識を踏まえて説明していきたいと思います。
妊娠・出産時のダメージの回復
1つ目は妊娠・出産時に受けたダメージの回復です。産後の体は、妊娠・出産の大きな変化で、とてもダメージを負っている状態です。臨月のお腹の大きさを思い出してみてください。10ヶ月かけてあの大きさになるのです。その間に、赤ちゃんもすごいスピードで成長するけど、お母さんの体もそれに対応するように変化します。当然周囲にある大切な器官も影響を受けます。出産して自然に元に戻ってくれたら良いのですが、そうはいかないものもあります。そして、実は、産後はその自然には戻ってくれないものに意識を向けて、産後の体を楽に動けるように整えていくことが大切なのです。ママになってもキレイでいたいと思うのが女性としての本音ですよね。ですので、私は、ボディラインやスタイルを整えていくことも、産後ヨガの中でできる大切なことだと思っています。
育児に必要な体力をGET !!
2つ目は妊娠・出産で低下した体力の回復です。つわりや大きなお腹で思うように動けなかったり、貧血で動くのがフラフラで休みがちだった方もいるでしょう。私自身も予定日6週間前に産休に入る前まで、病院の現場でもヨガの仕事もフルにやっていましたが、それでも産後は動くのがきつかった。それは、赤ちゃんのお世話を頑張って体が疲れているからというのもあったのですが、体の状態そのものが動くときつい状態になっていたのです。1つ目で書いたダメージを回復させていきながら、元気な体で動けるように整えていきたいですよね。これについては、産後ヨガのアサナ実践の紹介のところで詳しく書きますね。
ママの心と体の癒し
3つ目は赤ちゃんのお世話で疲れているママの心と体を癒してあげることです。ママは本当にやることがたくさん!床上げが終わったかと思ったら、すぐに通常運転に戻る方も多いのが現状です。ワンオペという言葉が出てくるくらいに一人で家のことを全て回す方も多く、その時は気を張っているから大丈夫であっても、長くなれば鬱になるママたちも実は多くいるのですよ(なかなか表には出てきませんけど)。初めての育児でわからないことばかりで、気持ちがなかなか落ち着かないママもたくさんいることでしょう。自分のことならまだ自分で決められるのに赤ちゃんはどうして欲しいのか分からなくて、ママはたくさんの疑問や不安が湧き、どうするかの選択を必要とされます。もうね、当然気持ちも疲れるんですよ。赤ちゃんが可愛いことと、自分が疲れるということは全く別物なのです。なので、堂々と「私は疲れているー!」と言える場所が必要なのだと私は思っています。産後ヨガはそんな場所にもなり得ることでしょう。特に、グループで行なっている場所を見つけると、近い月齢の子を持つママたちと情報や思いを共有できて救われることも多いですね。
産後、体を回復させるポイントは?
え?妊娠中、ママの体はこんなことになっていたの?
まず、一番大きな変化があるのは、お腹ですよね。お腹は目に見えて大きくなってきて、産後は徐々に戻っていきます。そのお腹を中心にお話ししていきます。
まず呼吸の話です。妊娠8ヶ月になると、子宮底が33cmまで大きくなり、みぞおち辺りまで達します。胃が持ち上げられて食欲に影響するのは時々聞きますが、実はこの時、呼吸で大切な横隔膜も押し上げられます。この頃になると息が上がりやすくなる方もいるのですが、それは呼吸が浅くなるから。押し上げられて、日常的に浅い呼吸をしていた横隔膜は、徐々に固くなっていきます。横隔膜も筋肉からできているので、動きが少ないと伸びづらくなるのです。そして、横隔膜は、子宮が小さく回復していっても、そのままにしていたら戻らないままの状態で産後を過ごすことになります。
次に、姿勢の話です。普段は姿勢が良い方も、お腹が大きくなって前にせり出してくると、バランスを取るようにして他の部分で調整します。よく見かけるのはこんな姿勢の方ですね。
腰が反って、脚の付け根(股関節)がお腹と一緒に前にいきます。肩が後ろに下がり頭が前にいきバランスをとります。体の中心から離れるほど、姿勢を保つには筋肉を使わないといけません。筋肉を使うとお腹が張りやすくなるので、極力筋肉を使わないようにして立とうとします。すると、体を支えるには何を使うでしょうか?正解は靭帯です。膝カックンをしたくなる方っていますよね?w 膝をパーンと伸ばして立っている方。あの立ち方は筋肉を使わず靭帯に体を預けて立っています。それが、先ほど出てきた股関節でも起こります。するとどんな姿勢になるか?産後でもこんな感じ。
これ、産後8ヶ月の例です。つまり、産後も筋肉を使わない立ち方というのが体に残ってしまっているんですね。
産後の体を回復させるポイントは?
では、どうやって戻して行ったらいいのでしょうか。まず大切なことは、自分自身の体が今どうなっているのかを知ることです。鏡でチェックするのもいいでしょう。パートナーに見てもらうのもいいですね。見てもよく分からないという方は、専門家に見てもらうのが一番手っ取り早いです。
余談ですが、体のことに目を向ける余裕のない方は、まず自分自身が今はいっぱいいっぱいの状態だということをしっかり受け止めてあげてください。そして、それが良い悪いというのではなく、ただそういう状態なんだと知っておくだけで大丈夫です。頑張り屋さんは、前に進めない自分をとかく責めがち。でも、状況も気持ちも必ず変わる。いつか楽になる時がくるから、安心していまの自分自身の状態を受け入れてあげてほしいなと思います。
話を元に戻すと、日常起こるきつさや動きづらさは、必ず体に出てきています。それを見つけ出して、どの部分をどう動かすといいのかなど、具体的に対策を見つけていきたいですね。
産後にしっかりと体を戻しておくと、次の妊娠・出産、産後が変わります。
産後ヨガでやっていきたい3つのことと注意点。
ここでは部位ごとに分けて大切なことや実際の動きの例を説明していきます。
骨盤周りのアサナ
1つ目は骨盤です。出産で開いた骨盤、開きっぱなしだと太るとか代謝が悪くなるとか巷の噂があります。これについて理由を書くと長くなるので割愛しますが、本当のことだと思っています。腰痛にもつながりがちな骨盤の問題は、是非とも解決しておきたいところです。
さて、そのためにはどんな事をしたらいいでしょうか。
まず、骨盤はいくつかの骨が集まってできた一つの塊なのですが。骨盤が開く動き、骨盤が閉じる動きというのがあるんですね。それがこちらです。
そして、動画にあるように、骨盤を立てた状態で動いていく事で骨盤を締める筋肉が収縮し、姿勢が良くなっていきます。例えばこんなポーズです。
<ダンダアーサナ>
<チェアポーズ>
肩周辺のアサナ
2つ目は肩周り。出産直後からママはオムツや授乳など、とにかく手をたっくさん使います!そして、その作業は大部分が体の前での作業。手先をたくさん使うし肩周りは固めたまま。どんどん猫背状態になってカチカチの筋肉になっていっちゃいます。しかも赤ちゃんは小さくて、目も知らない間に酷使してます。
産後はテレビ、スマホは見ないほうがいいと言われたことはありませんか?目を使うことは肩や首の筋肉へも影響が出てきます。そうなると、頭痛、腱鞘炎、首の寝違いなどなってしまうと、赤ちゃんのお世話をするのに自分がとても痛い思いをするものばかり引き寄せてしまいます。
(ちなみに私は1人目全部なりました)
これに関しては、肩の本当の付け根となる肩甲骨からしっかり動かしていきましょう。
下半身の力を取り戻せ!
3つ目は意外かもしれませんが下半身の筋力。下半身といえば、脚!腰!妊娠中にお腹が張る方は筋肉を使わなくなくなるとお話しした部分ですね。赤ちゃんを守るために、体の使い方を自然に変えた方もいるでしょうし、諸事情で医師から安静指示があったり、という意識して運動量を減らす場合もあるでしょう。しかし、脚の筋肉は、骨盤を閉じる為の筋肉でもあります。ですので、足腰の使い方も、落ちた筋肉の量も、またしっかりと動くために回復させていきたいですね。おすすめアサナは立ちポーズ。
<スクワット>
立つのがきつければこういうのも
<たいこばしのポーズ>
などになります。
産後ヨガにおける注意点
お問い合わせいただく内容で多いのが、「産後ヨガはいつから初めていいですか?」というもの。ご自分でされる場合でも、産後の日数や体の状態によって、やるといいこと、やらないほうがいいことがあります。以下に紹介する集まり(mamanz fun)で行なっているヨガは、産後2ヶ月以上の方を対象としています。気になることがあるときは事前にご相談もできますので、一度ご連絡くださいね。
鳥栖での産後ヨガをご紹介〜産後ママの味方mamanz fun〜
mamanz funとは?
mamanz funとは、産後のママが生き生きと明るく育児に向きあえるように、まずは体から整えよう!というコンセプトのもと作られた団体です。鳥栖市民活動センターの登録団体でもあります。現在月1回活動しています。元々は私自身が同じ月齢のお子さんがいるママたちとつながりたくて始めた産後ヨガ、回数を重ねるうちに、みなさんが様々な体の悩みで困っていること、気持ちの面でも不安がいっぱいで子育てに向き合っている方もいることを知りました。私は体のことに関しては専門家できっと役に立てるハズ。子育てのことは全くダメダメだけど、集まれば誰かが気持ちが楽になるヒントを持っているかもしれない、そう思って続けています。私のその後の妊娠・出産で途切れ途切れではありますが、8年ほどになりましたねー(遠い目)。
mamanz funの活動内容は?
鳥栖近隣に住んでいる産後のママたちで集まり、60分程度の産後ヨガのレッスンをしています。終わったら、近況や悩み、疑問などをみんなで話したりワイワイしたり。現在、会場として使っているのは鳥栖市勤労青少年ホーム。スポーツ室で、空間が広いので多少赤ちゃんが泣いても気になりません。
現在、私の他にもう一人スタッフがいます。このスタッフの裕香さんがとても話しやすくてママのことを親身になって考えてくれるんですよ。私も良く相談に乗ってもらったり、話を聞いてもらっていますw
現在毎月第2火曜日10時〜12時で活動しています。参加費は1000円でママのおやつ付きです。参加希望、気になる方はお問い合わせください。
お問い合わせはこちらから
まとめ
今回は、産後ヨガの効果や実際のアサナについてご紹介していきました。ついつい赤ちゃんのお世話ばかりに気がいきがちですが、ママの体だってあと何十年もお世話になる大切なもの。それに、自分自身がきついとお世話のきつさも倍増ですよね。疲れやモヤモヤは溜めずに、ぜひ自分と向き合う時間を作って、心も体も軽やかに過ごしていきたいですね。