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登山後の膝が痛くなる2つの原因

登山において、膝を痛めやすいというのは
前回の記事で書きましたが、
ではどういった原因で痛くなるのでしょう?

もちろんひとそれぞれに原因がある
というのは前提としてありますが、
ひとくくりにまとめてしまうと

1.「膝の使いすぎ=overuse」
2.「間違った使い方が重なり痛みがでる=missuse」
ということになります。

ヨガの怪我と全く同じですね。

ヨガと同じなのですが、
やっている環境や使っている道具が
全く違うので、登山においての状況の中で
考えていかなければ対処方法が出てきません。

まず考えていきたいのが、登山から帰る時、
膝がカクカクとする経験をされたことはありませんか?
(膝が笑うと言いますよね)。

次の日に太ももの前側が筋肉痛に
なることもよくある現象です。
この原因は何かと言うと、
下りの身体の使い方にあります。

登山経験者の方ならご存じかと思いますが、
脚が筋肉痛になるのは下りが原因なのです。
この下りの脚の使い方が
膝の痛みに関してもキーとなります。

まず、太ももの前には
どんな筋肉があるのかということですが、
こちらの大腿四頭筋という大きな筋肉があります。

私の下手な絵で申し訳ないのですが、
左の絵のようにお尻を引き体幹を前傾させて下ると、
山側の脚の膝は体幹の下にありますね。

この姿勢だと山側の大腿四頭筋をたくさん使いますが
膝そのものには大きな負担はありません。
一方、右は体幹が起きてしまっているので、
膝が体幹よりも前にあるのがわかります。

こうなると、支えている山側の脚の膝に
とても大きな負荷がかかり、
降りている時から膝が痛くなる場合もあります。
これが間違った使い方(=missuse)です。

これは、スクワットを行うときと同じ原理になります。

しっかりとヒップヒンジを意識しましょう。
*ヒップヒンジとは、お尻を引き、
    腰ではなく股関節を曲げる動きのことです。

もう一つは、谷側の足の接地の仕方ですが、
トンと勢いをつけてつくと、
その衝撃で脚そのものに負荷がかかります。

一歩だけならなんともないものでも、
登山は数えきれない回数を
そのやり方で行うことになりますので、
左の姿勢であったとしても非常に大きな負荷となります。

進める足は、音がしないくらいに
そっと着くようにしましょう。

あと、ステッキのつく位置は、
絵はちょっと前気味ですが、
実際はもっと後方につくのも
尻もち防止で良いかと思います。

ステッキを着くのを嫌がる方もいらっしゃいますが、
転ぶのを身構えているだけでも、
余計な力が入るので体に疲労がきてしまいます。

膝が痛くなりやすい方は
一時的にでも使ってみてください。
これは筋肉の使いすぎを防ぐこと
(=overuse)にも繋がります。

もう一つ、overuseを防ぐためには、
上りの歩き方も重要です。
こちらについてはまた他の回で書きますね。

クライアントさんともよく話しますが、
安定した動きには体幹の強さは必要です。

こちらも今回は割愛しますが、
重要なことなのでこの登山シリーズで
書けたらと思います。

ここまで、下りの際に気をつける
身体の使い方を書いてきました。

大切なポイントは

膝ではなく太ももの前をしっかりと使っていく
ということです。

初めのうちは筋肉が鍛えられていない方には
きつい動きかもしれませんし、
一歩一歩を気遣いながら歩くのは
嫌がられる方もいますが、
繰り返す動作だからこそ
ぜひ丁寧に取り組んで見てくださいね。